小説家の内緒話 価格:¥ 500 納期:通常24時間以内に発送 人気ランキング : 34,862位 定価 : ¥ 500 販売元 : 中央公論新社 発売日 : 2005-01
山田詠美さんが大好きで、買いました。でも、表紙にもあるように山田詠美さんは「聞き手」なんですね。確かに山田詠美さんの新たな側面が少しは見えた感じもしますが、山田詠美ファンなら読む必要はないかも知れません。あまりにも瀬戸内さんが饒舌で、ホント 山田詠美さんは「聞き手」に徹しているので。瀬戸内さんの小説で卒業論文を書くような人なら買い、かも。山田詠美ファンは買う必要はないと思います。
瀬戸内寂聴も山田詠美もファンなので、本の内容的には何も問題なかったのですが、この本、過去に出版された「いま聞きたい いま話したい」を改題・装丁デザイン変更して再出版した本だったのですね。現在、すでにもっている本とまったく同じ内容だとは気がつかずに買ってしまい、ガッカリ。出版社側で帯や背表紙の説明書きなどで「いま聞きたい いま話したい」と同じ内容ですと明記して欲しかった。すっかりだまされて買わされた気分です。
瀬戸内寂聴と山田詠美の対談集。あくまでもメインは瀬戸内寂聴で、小説家としても、恋愛経験の豊富さでも大先輩の瀬戸内寂聴の話を後輩・山田詠美が真摯に聞いています。 2人とも年齢さを超えてお互いをリスペクトしあってるってのが、言葉に滲み出ている。2人ともこの対談の時間を待ち望み、楽しんだというのが感じられる。 この対談集で山田詠美自身、長編は書くのが苦しいと語っていた。作者が苦労した分、搾り出した、濃縮した一字一句が読み手には面白いんだろう。ところで、私は瀬戸内寂聴の小説を一度も読んだことがない。私にとって瀬戸内寂聴は、小説家よりも尼さんという印象しかなかったけど、若いときはかなりお盛んだったらしい。2人ともデビュー当初は、性描写が時代にマッチせずに、バッシングを受けた。結局、作家として今も生き残っているってことは、普遍的な内容だったのだうし、対照的に思える2人は、とても似ている2人だと思えた。こんなに真面目に小説に取り組む2人の小説がまた読みたくなる一冊。
自由に生きている二人が、世代を超えて語る恋愛、人生、作家としての人生。思わず笑ったり、にんまりしたり、うなずいたり。二人の魅力が思う存分に味わえる。